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【どこに使う?】屋根の部位ごとの瓦の種類と名称解説【役物瓦】

瓦の種類はとても多く、混乱してしまいます。

瓦の材質、瓦の形状、瓦を使う部位、瓦の焼き方など、様々な種類分けがあり、それぞれに違う呼び方があります。

今回は屋根の部位ごとに使用する瓦の種類に絞って、瓦の種類と名称を解説していきます。


屋根面に使用する瓦(桟瓦)

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桟瓦とは、屋根の平面部分に使用される瓦のことです。

断面が波状になっており、桟瓦同士で組み合わせて屋根を葺いていきます。

現在でこそ一般的な日本の和瓦としてイメージされるこの桟瓦ですが、開発されたのは江戸時代です。

それまでは瓦と言えば中国伝来の「本葺き」の瓦が主流であり、丸まった瓦と平たい瓦を組み合わせて屋根面を葺いていました。

「桟瓦葺き」に使用する桟瓦は、本葺きの瓦の組み合わせを1枚で兼ね備えており、屋根の軽量化に役立ちました。

これによりお寺などの構造体が強固な建物以外にも瓦を使用できるようになり、瓦屋根が日本の一般住宅に広く使用されるきっかけになりました。



また、平面に葺く桟瓦に対して、平面以外の特殊な箇所に使用する瓦をまとめて「役物(やくもの)」と呼びます。

役物という言葉自体は建築業界の用語で、規格品の中の基本形以外のもののことをまとめて呼ぶ用語です。
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施工前の桟瓦です。
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棟に使用する瓦

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棟には、屋根の頂上部分であり、地面と水平に流れている本棟や、屋根面同士がぶつかって地面と水平でない隅棟などがあります。

どちらも使用する瓦はほとんど変わりません。

和瓦の場合、棟を施工する際は様々な瓦を組み合わせて積み上げる「棟積み」という構造をしているので、種類が多くなります。

洋瓦の場合、1種類の「冠(かんむり)」のみで施工するケースや、そもそも瓦を使用せずに板金で納めるケースもあります。


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棟の一番上に積まれているのが冠瓦です。

様々な形が作られていて、どの形を使用するかによって屋根の雰囲気が大きく変わります。

また、一番上に施工するということは、一番雨に当たりやすいということでもあり、雨水対策上も重要な瓦です。

丸みをお帯びた写真のような瓦が一般的ですが、数えきれないほど様々な意匠、形状の瓦があります。


片流れと呼ばれる特殊な屋根の形状の時に用いられる冠瓦です。

片流れ棟とは、通常屋根面同士がぶつかっている棟に対し、屋根面が一面しかない形状の頂上の棟です。

片方にだけ屋根が流れているので片流れと呼ばれるようになりました。

昨今の新築で多く見られるようになり、デザイン面で人気があります。

片流れの棟に通常の冠を使用してもうまく納まらないので、専用の片流れ冠瓦を使用します
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冠の下に積まれているのが、熨斗(のし)瓦と台熨斗(だいのし)瓦です。

棟の中でも一番下に積まれているのが台熨斗瓦で、その上に数段積まれているのが熨斗瓦です。

熨斗を何段積むのかはお家によってまちまちですが、お寺などでは十数段も積むこともあります。

昔はこの棟積みでいかに高く積むかでお家の風格が出るとして、競って棟を多く積むといったような風習もあったようです。

現在では棟は比較的低く積むのも好まれる風潮があります。

また、京都など一部地方の瓦屋根(数寄屋風)では、ごく低い棟が積まれていることが多いです。


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施工前の熨斗、台熨斗瓦です。

熨斗瓦とは、実は台熨斗瓦を半分に割ったものなので、現場へは台熨斗のまま搬入されることもあります。
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鬼瓦はその紋様や形状で数えきれないくらい様々な種類が存在します。

棟の先端に使用し、積んだ熨斗瓦の切り口に蓋をするような役割を持ちます。

最近では棟を積まずに納めることも多くなり、鬼瓦の代用品が使用されることも多くなりました。
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棟止め瓦(むなどめがわら、むねどめがわら)と呼ばれる瓦です。

和瓦でも棟を積まない場合や、洋瓦などで鬼瓦の代用として使用されます。

昨今の一般住宅の新築では、こちらの方もよく見かけられるようになってきました。

棟の冠瓦に使用している瓦の形によって、様々な形の棟止め瓦が作られています。
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鬼瓦より外側の棟に一枚被せるための瓦です。

ケラバの箇所に位置しており、左右の屋根面の瓦に被せるようにします。

巴瓦は様々な箇所で使用されており、箇所によって種類が違います。

棟巴:ケラバ部に袖瓦を使用する棟に使う

拝巴:ケラバ部に掛瓦を使用する棟に使う

隅巴:隅棟と呼ばれる、地面と水平でない棟に使う

軒巴:本葺きと呼ばれる古い瓦の工法の時の軒先や、通常の桟瓦葺きでも風切り丸と呼ばれる部位の先端に使うこともある。

軒先に使用する瓦(軒瓦)

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軒先とは、屋根面の傾斜の一番下で、地面に対して水平に流れる箇所のことです。

鼻と呼ばれることもあります。

通常軒先には軒樋が取り付けられ、屋根の流れに沿って落ちてくる雨水を受け、排水するようになっています。

また、屋根を見上げた時によく目に入るので、様々な意匠の種類が存在します。

また、現在の新築などでも人気の洋瓦では、軒先に特別な瓦をしようせず、屋根面に使用する桟瓦をそのまま使用するケースもあります。
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軒先に使用される瓦は様々な種類がありますが、一般的には「万十軒瓦」が使用されます。

この他にも左側に「鏡」と呼ばれる丸い形が付いているものといないものや、断面の形が違うものなど、様々な種類があります。

(写真は万十軒瓦です)

また、洋瓦などでは軒先の瓦と平面の瓦を区別せず、どちらも桟瓦を使用します。
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施工前の軒瓦です。

ケラバ部に使用する瓦

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ケラバとは、屋根と水平方向でない屋根の先端部のことです。

屋根に落ちてきた雨水が流れていく方向を流れ方向と呼び、流れ方向に沿った屋根の先端のことです。

「妻」や「破風」と呼ばれることもあります。
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袖瓦とは、ケラバ部に使用される瓦の一種です。

他の桟瓦と同じ方向で葺いていき、袖垂れと呼ばれる垂れ部分が外側になるように葺きます。

この垂れの部分が屋根下地の断面を保護します。


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施工前の袖瓦です。
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掛瓦とは、袖瓦同様ケラバに使用する瓦です。

本格的な和風家屋や、寺社仏閣で使用されることの多い瓦です。

軒先から見上げた時のような鏡が付いており、品の良い見た目になり、風格が出る瓦です。

桟瓦に対して垂直方向に取り付ける必要があるので、施工が特殊です。

施行には、経験と知識が豊富な職人さんが必要となります。


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屋根の軒先の角に使用する瓦です。

ケラバと軒先の交わる箇所に使用します。

軒先とケラバ、両方に蓋をするような形状をしていて、左右それぞれ専用の瓦を使用します。

最後に

施行する部位、意匠、焼き方や形状など、瓦には様々な種類分けがあります。

今回は中でも、施工する部位によって分けて紹介しました。

このほかにも、特殊なケースや形状などで使用される瓦もたくさんあります。

気になる方は、ぜひ一度お問い合わせください。


最後までご覧いただき、ありがとうございました。


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