この軒先に使用する瓦を軒瓦や、万十瓦、唐草と呼んだりします。
軒瓦は和瓦の場合に様々な種類の瓦が見られ、地域やお家によって全く違う表情を醸し出します。
やはり、屋根を見上げた時に一番最初に目に入る位置にある瓦なので、こだわった意匠や遊びを作り出す箇所だったのでしょう。
万十瓦はもともと軒瓦のとある種類の形状を指す言葉でした。
愛知県では軒先に万十瓦を使用するのが一般的だったので、次第に軒瓦自体を呼称する言葉になったのです。
また、唐草も同様に、軒瓦に入れる模様のことを指して呼んでいました。
もともと、万十や唐草という呼称の方が一般的だったのですが、次第にそれらを総称して軒瓦と呼ばれるようになりました。
というのも、特に最近開発された平板瓦などでは、軒先に万十や唐草のない瓦が多かったことや、
平板瓦などでは、屋根面を葺く瓦をそのまま軒先にも施工できるので、特に区別すること自体違和感があります。
そういった歴史もあり、軒瓦、万十瓦、唐草など、いまでも業者さんや職人さんひとりひとりで呼び方が違い、幅があります。
少し混乱してしまいますが、概ね、3つとも同じ軒先の瓦を指していると考えてもいいでしょう。
ここではさらに、軒瓦の形状と種類をいくつか紹介します。