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ルーフィングとは?屋根の防水層の基本と重要性
はじめに

「ルーフィング」とは、屋根材の下に敷かれる防水シートの総称です。
瓦やスレートなどの屋根材が主な雨水防御を担う一方、ルーフィングは屋根材の隙間から侵入した雨水を建物内部へ浸水させない「二次防水」の役割を果たします。
屋根材だけでは防ぎきれない雨水の侵入は、構造材の腐食、カビ、シロアリ被害に繋がります。
特に台風や大雨時には浸水リスクが高まるため、ルーフィングは家を守る上で不可欠です。
本記事では、「ルーフィングとは何か」という基本から、種類、役割、選び方、メンテナンスまでを解説します。
家を雨漏りから守り、長く快適に住み続けるための知識を深めましょう。
主要なルーフィングの種類と特徴

ルーフィングには様々な種類があり、建物の種類や地域の気候、予算に応じて最適な材を選ぶことが重要です。
屋根の形状、勾配、使用する屋根材、地域の気候条件を総合的に考慮して選定しましょう。
アスファルトルーフィング
最も一般的なルーフィングです。
不織布にアスファルトを浸透させたもので安価で広く普及しています。
コストパフォーマンスに優れているというメリットがある一方で、破れやすく、耐久性が他のルーフィングに劣る場合があり劣化も進みやすいです。
改質アスファルトルーフィング
アスファルトにゴムや樹脂を混ぜ改良したルーフィングで、アスファルトルーフィングの弱点を克服しています。
従来のアスファルトルーフィングよりも、柔軟性、伸縮性、耐久性が向上し、釘穴追従性も高く防水性能に優れています。
また寒冷地でのひび割れリスクも低減してるのもメリットです。
一方で、アスファルトルーフィングよりも費用が高いのがデメリットです。
高耐久・高機能ルーフィング
高い耐久性や特殊機能を持つルーフィングで、不織布基材や自己粘着型などが挙げられます。
非常に高い防水性能と耐久性を誇り、長期使用が可能な点がメリットです。
また遮熱や防音機能を持つものもあります。
一方で、他のルーフィング材に比べ価格がかなり高くなってしまう点がデメリットです。
ルーフィングが担う役割と機能

ルーフィングは単なる防水シート以上の多岐にわたる重要な機能を持っています。
まず挙げられるのが二次防水機能です。
屋根材からの雨水の浸入時に、建物内部への浸水を防ぐ最終防衛線として機能します。
次に構造材の保護があげられます。
雨水による構造材の腐食を防ぎ、建物の耐久性を維持することが可能です。
また、一部のルーフィングでは湿気の侵入を抑え、屋根裏の結露やカビ発生を抑制することもできます。
強風による屋根材の破損時でも一時的に雨水の浸入を防ぎ、応急処置までの時間を確保することができます。
ルーフィング施工のポイントと注意点

ルーフィングの性能は、適切な施工によって最大限に引き出されます。
施工不良は防水効果を大きく低下させるため注意が必要です。
一般的な施工プロセス
①下地処理: 屋根下地の平滑性を確認し清掃。
②軒先からの施工: 軒先から棟へ、雨水が流れる方向に重ねて貼る。
③重ね代の確保: シート同士上下の重ね代10cm程度、左右は20cm程度を確保。
④固定: 専用の釘やタッカーで下地に固定。釘頭が密着するよう打ち込む。
⑤役物処理: 棟や谷、ケラバなどの複雑な部分は丁寧な処理が必要。
施工時の注意点
まず天候に注意が必要です。
雨天や強風時の施工は避け、ルーフィングの濡れや破損を防ぎましょう。
次に、ルーフィングのシワやたるみは防水性能低下の原因です。
しっかりと張った状態で施工することで機能を最大限活用することができます。
またルーフィングを設置する際に開ける釘穴から雨水が浸入しやすいです。
穴の数は最小限にすることがおすすめです。
最後に、ルーフィングの施工は高度な技術を要するため、必ず専門業者に依頼しましょう。
信頼できる業者を選ぶことで、長期的に安心した生活を送ることはできます。
ルーフィングの交換については以下の記事でも詳しくご紹介しております。
ぜひこちらも併せてご確認ください。
▶︎ルーフィング交換は屋根工事の「最後の砦」!工事のポイントを解説
ルーフィング劣化のサインとメンテナンス

ルーフィングは屋根材の下に隠れて見えませんが、確実に劣化は進行します。
劣化サインを見逃さないことが雨漏り防止に繋がります。
ルーフィング劣化のサイン
雨漏りはルーフィングの劣化の大きなサインの一つです。
天井のシミや壁の濡れは、ルーフィングを含む防水機能低下の明白なサインなので早急な対応が求められます。
また屋根材の浮き・剥がれはルーフィングが紫外線や雨風に直接晒され、劣化が加速する原因です。
他にも屋根裏の湿気やカビの発生は、ルーフィングの機能低下による内部への湿気侵入の可能性が高いです。
これらのサインが見られたら、速やかに専門業者に点検を依頼しましょう。
早期対処で大規模修繕を避けられることがあります。
メンテナンスの重要性
ルーフィング自体を直接メンテナンスはできませんが、屋根材の定期的な点検と補修がルーフィングの寿命を延ばします。
まず定期的な屋根点検は不可欠です。
10年に一度は専門家による屋根全体の点検を行い、屋根材の損傷を早期発見・対処することをおすすめします。
また屋根材の補修・葺き替えも必要に応じて行いましょう。
屋根材の損傷は放置せず、補修や部分的な葺き替えでルーフィングへの負担を軽減することも重要です。
ルーフィングの耐用年数は20~30年とされますが、屋根の葺き替えやカバー工法時にはルーフィングも同時に交換することをおすすめします。
自宅に最適なルーフィング材を選ぶ基準

多種多様なルーフィング材の中から、自宅に最適なものを選ぶためのポイントです。
まず重要なのは防水性や耐久性です。
長期間防水性能を維持できるかが最重要事項となります。
耐用年数の長い屋根材には、同等以上の耐久性を持つルーフィングを施工してください。
また予算と相談しつつ、コストパフォーマンスに優れた製品を選びましょう。
安価なものだけで選ぶと、後々高額な修繕費がかかることもあります。
地域の気候条件を考慮することも重要です。
寒冷地には柔軟性のあるルーフィング、積雪地帯には強度を持つルーフィングなど、地域に適した素材を選ぶことで長持ちさせることが可能です。
屋根材の種類や勾配によっても適したルーフィングは異なります。
例えば緩勾配屋根ではより高い防水性能が求められます。
施工を依頼する際は経験豊富な専門業者に依頼することがおすすめです。
経験豊富な専門業者は、地域の特性や屋根の状況を考慮し最適な材を提案することができます。
複数の業者から見積もりを取り比較検討しましょう。
信頼できる屋根工事業者と十分に相談し、納得のいく選択をすることが大切です。
まとめ
ルーフィングは、屋根材の下に隠れて目立たないながらも、家を雨漏りから守るために極めて重要です。
高品質なルーフィング材の選定と、確かな技術を持つ専門業者による丁寧な施工が、屋根全体の防水性能を確保し、建物の寿命を延ばします。
定期的な点検と適切なメンテナンスを心がけ、ルーフィングの潜在的な問題を早期に発見・対処することが、長期的な安心へと繋がります。
もし屋根の状態に不安を感じているのであれば、ぜひこの機会に専門家への相談を検討してください。
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