未曾有の被害をもたらした東日本大地震、津波や液状化によるショッキングな映像に心痛な思いをされていることと存じます。しかし、よく耳にするこういった被害だけでなく、震災により屋根に大きな被害を受けたというお宅も数多くあるのです。
下の写真をご覧頂くと、ブルーシートで屋根を覆われたお宅が無数にあるのがわかると思います。
これは、もともと自然災害による被害の少なかった東日本一帯の地域では防災仕様で屋根を施工されていないケースが多かったことに起因しています。
このような大規模な災害時には復旧までにかなりの時間を要します。
せっかく建物の倒壊は免れたものの、多くの方が長期に渡り不安な生活を過ごされているのが現実です。
この地方でも大規模地震の発生が予測されてます。
「いざ」という災害に備えて、大切なお住まいとご家族の生活を守るためにも耐震リフォームをご検討されてはいかがでしょうか?
防災の知恵袋! 補修と対策
「いざ」というその時、実感できる安心感
東日本大震災復旧の様子
東日本大震災での被害の様子
地震で落下した瓦
地震で倒壊した棟瓦
大きく変わった屋根施工の安全基準
「大切なお住まい」本当に大丈夫でしょうか?
多くの尊い人命が失われた95年の阪神淡路大震災を契機として、それまでの建築に関する国の安全基準が見直され、98年の建築基準法改正により新たな基準が示されました。
98年以前の建築基準法では、国が安全を確保するための施工基準を細かく定めており、その基準に基づいて施工されていれば安全だとされていました。
しかし新たに改正された建築基準法では、大規模な地震や台風のときでも大丈夫な屋根を作りなさいという「性能規定」へと変更されました。
このような「性能規定」とは、「材料や工法は問わないから、大きな台風や地震が来ても大丈夫な屋根の工事をしなさい」というわけです。
多くの尊い人命が失われた95年の阪神淡路大震災を契機として、それまでの建築に関する国の安全基準が見直され、98年の建築基準法改正により新たな基準が示されました。
98年以前の建築基準法では、国が安全を確保するための施工基準を細かく定めており、その基準に基づいて施工されていれば安全だとされていました。
しかし新たに改正された建築基準法では、大規模な地震や台風のときでも大丈夫な屋根を作りなさいという「性能規定」へと変更されました。
このような「性能規定」とは、「材料や工法は問わないから、大きな台風や地震が来ても大丈夫な屋根の工事をしなさい」というわけです。
一見自由に見えますが、屋根業界にとっては、実は、新しい建築基準の方がずっと厳しいのです。
そこで屋根業界では新たな建築基準法に対応した施工基準として「ガイドライン」を定め、それに基づく施工を実施しています。
そこで屋根業界では新たな建築基準法に対応した施工基準として「ガイドライン」を定め、それに基づく施工を実施しています。
阪神淡路大震災直後の神戸市内の様子(95.1.20撮影)
98年以前の施工では主に建築基準法の定める規定より厳しい「住宅金融公庫の基準」に基づく施工がされていました。当時の基準からすれば問題のない施工がされていましたが、残念ながら新たな建築基準法で定められた「性能規定」をクリアーできるものではありませんでした。
昭和56年を境に建物の耐震基準が大きく変わったように、屋根施工の安全基準も大きな変化を遂げたのです。
下に並べたショッキングな3枚の写真ですが、昨年私共で取り扱った屋根点検時の写真となります。
当初は施工不良が原因と考えておりましたが、驚くべきことに実際詳しく調べてみると、いずれも施工不良が原因によるものではありませんでした。建築当時の98年以前の建築基準法に定める施工基準に準じて行われた適切な施工がされていたにも係わらず起こってしまった案件だったのです。
これらの事例はいずれもこうなってしまう前に点検を実施し、適切な処置をしておけばここまで状態が悪くなる前に防ぐことが出来たであろうと考えられます。
大切なお住まいでいつまでも安心してお過ごしいただくためにも、住まいの定期的な点検をお勧めします。
当初は施工不良が原因と考えておりましたが、驚くべきことに実際詳しく調べてみると、いずれも施工不良が原因によるものではありませんでした。建築当時の98年以前の建築基準法に定める施工基準に準じて行われた適切な施工がされていたにも係わらず起こってしまった案件だったのです。
これらの事例はいずれもこうなってしまう前に点検を実施し、適切な処置をしておけばここまで状態が悪くなる前に防ぐことが出来たであろうと考えられます。
大切なお住まいでいつまでも安心してお過ごしいただくためにも、住まいの定期的な点検をお勧めします。
釘穴からの浸水による
棟木の腐食
棟木の腐食
今にも落ちそうな袖瓦
棟際の瓦のズレ
台風による被害
近年非常に勢力の強い台風が何度も日本列島に接近し、各地に大きな被害をもたらしています。中にはハリケーン並みの強い台風が上陸するケースもあり、屋根屋としては台風に関するニュースが流される度に「大きな被害の発生しない」ことを祈るばかりですが、台風での被災事例について解説をしたいと思います。瓦の施工に関して大きく「土葺き工法」と「引っ掛け桟工法」に分けられます。
「土葺き工法」は古くから行われてきた工法で、屋根に瓦を接着する役目を果たす葺き土を敷き詰め瓦を葺いていくというものです。経年変化により瓦にズレ等が生じると接着効果が弱まり地震や台風の際に被災するおそれがあります。
これに対して「引っ掛け桟工法」とは現在ほとんどの瓦屋根施工で用いられている工法で、葺き土等は用いず、瓦を桟木と呼ばれる下地に引っ掛けて釘打ちにて固定していきます。
瓦の固定に関しては写真のように瓦の頭側を釘で固定するのですが、現在の防災瓦を用いずに施工された屋根では台風等の際に瓦が強風でめくられてしまうという被害が発生しています。
そのメカニズムを図解しているのが下の写真です。
台風の際に強風が吹きつけた影響で、釘で固定されていない瓦の下部が風の力で引っ張られバタつく(フラッタリング現象が起こると)と、「てこの原理」により釘が浮き、最終的には瓦が飛散してしまいます。また風で飛散した飛来物が屋根にぶっかった影響で瓦が割れて飛んでしまい、周りの瓦も一緒にめくれてしまったという事案も発生しています。
「土葺き工法」は古くから行われてきた工法で、屋根に瓦を接着する役目を果たす葺き土を敷き詰め瓦を葺いていくというものです。経年変化により瓦にズレ等が生じると接着効果が弱まり地震や台風の際に被災するおそれがあります。
これに対して「引っ掛け桟工法」とは現在ほとんどの瓦屋根施工で用いられている工法で、葺き土等は用いず、瓦を桟木と呼ばれる下地に引っ掛けて釘打ちにて固定していきます。
瓦の固定に関しては写真のように瓦の頭側を釘で固定するのですが、現在の防災瓦を用いずに施工された屋根では台風等の際に瓦が強風でめくられてしまうという被害が発生しています。
そのメカニズムを図解しているのが下の写真です。
台風の際に強風が吹きつけた影響で、釘で固定されていない瓦の下部が風の力で引っ張られバタつく(フラッタリング現象が起こると)と、「てこの原理」により釘が浮き、最終的には瓦が飛散してしまいます。また風で飛散した飛来物が屋根にぶっかった影響で瓦が割れて飛んでしまい、周りの瓦も一緒にめくれてしまったという事案も発生しています。
台風でめくられた桟瓦(平板瓦)
台風でめくられた桟瓦(和瓦)
強風で倒壊した棟瓦
強風でめくれた棟の板金
大雪による被害
名古屋は雪があまり降らず積雪に対する意識が少ないエリアです。そのためたまに雪が積もった際には交通機関は乱れ、道路では車が立ち往生をしている…という光景をいたる所で見かけます。この屋根に積もった雪が屋根から滑り落ちることで思わぬ被害をもたらすことがあります。こうした雪害を防ぐのに効果を発揮するのが雪止めです。
雪止めとは軒先近くに設置して屋根に積もった雪が滑り落ちないように引っ掛けるための部材です。屋根に留まった雪は気温の上昇によりゆっくり融けていくため、雪のかたまりが落下して、その下にあるものを壊してしまうという被害を軽減することが出来ます。
新築時の雪止め設置が理想的ではありますが、瓦屋根はもちろん、スレート屋根や金属屋根等の場合でも概ねあとから雪止めを取り付けることは可能ですので、ご検討されてはいかがでしょうか?
雪止め瓦(和瓦)
雪止め金具(板金屋根)
雪止金具(瓦)
屋根から雪が滑り落ちる際に大量の雪が雨樋に引っ掛かってしまうことで、雨樋が外側に開いてしまったり外れてしまいます。
雪の重さは創造以上にあります。雪のかたまりがいっきに滑り落ちた際の破壊力はすさまじく、カーポートは潰れ、下屋の瓦も割れてしまいます。また落ちた雪が隣家に被害を及ぼすといった事案も発生しており、下の人の頭上に落ちれば死亡事故にも繋がりかねません。
落雪で割れた下屋の瓦
落雪の被害を受けたエアコンの室外機
落雪の被害を受けた塀