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屋根瓦の種類と特徴、選ぶときのポイントをご紹介!
はじめに

屋根は住まいを守る大切な部分であり、その中でも「瓦」は日本の伝統的な美しさと機能性を兼ね備えた屋根材です。
しかし、一口に瓦と言ってもその種類は多岐にわたり、それぞれ異なる特徴やメリット・デメリットを持っています。
この記事では、坪井利三郎商店が屋根瓦の主要な種類と選び方について詳しく解説します。
瓦屋根の施工を検討している方はぜひ参考にしてください。
屋根瓦の主要な種類と特徴

屋根瓦は、その主成分によって大きく分けて以下の3種類に分類されます。
それぞれの瓦が持つ個性や特性を理解することで、ご自宅に最適な選択ができるでしょう。
粘土瓦
粘土瓦は、粘土を主成分として高温で焼き固めた瓦です。
日本の伝統的な家屋に多く見られ、その美しい色合いと重厚感が特徴です。
非常に高い耐久性を持ち、適切な施工とメンテナンスを行えば50年以上の寿命を持つことも珍しくありません。
粘土瓦は、焼き物ならではの豊かな風合いが魅力的で、時間とともに変化する色合いも楽しめます。
また、不燃材料であるため耐火性に優れており、万が一の火災にも強いという大きな利点があります。
瓦と屋根の間に空気層ができる構造のため、断熱性や遮音性にも優れ、夏は涼しく冬は暖かく、そして雨音なども気になりにくい快適な住環境を保ちやすいのも特長です。
粘土瓦はその形状によっても様々な種類があり、住まいのデザインに大きな影響を与えます。
J形瓦(和瓦)
日本の城や寺社仏閣で多く見られる、瓦の一枚一枚が曲線を描く伝統的な形状の瓦です。
独特の陰影と重厚感が和風建築の美しさを際立たせます。
F形瓦(平板瓦)
「フラット瓦」とも呼ばれ、平らな形状が特徴の瓦です。
シンプルでモダンな住宅にもよく用いられ、すっきりとした印象を与えます。
和風・洋風問わず幅広い建築様式に調和しやすいため、近年非常に人気があります。
S形瓦(スパニッシュ瓦)
波打つような美しい曲線が特徴の瓦で、南欧風やプロヴァンス風の住宅に非常に人気があります。
瓦が重なり合うことで生まれる立体感と影が、異国情緒あふれる魅力的な屋根を演出します。
セメント瓦
セメント瓦は、セメントと砂を主成分として作られた瓦で、型に流し込んで成形されます。
製造時に着色されることが多く、多彩な色や形状があるのが特徴です。
粘土瓦に比べて比較的安価で導入しやすいため、コストパフォーマンスに優れている点が大きな魅力です。
着色や成形の自由度が高いことから、様々なデザインや色の瓦が存在し、デザインの選択肢が広いのもメリットと言えるでしょう。
一方で、表面に塗装が施されているため、経年により色褪せやコケの発生が見られることがあります。
そのため、約10年ごとに定期的な再塗装が必要になる点には注意が必要です。粘土瓦に比べて吸水性が高いため、冬季には凍害(凍結と融解を繰り返すことによる劣化)のリスクも考慮する必要がありますが、適切な塗装メンテナンスでそのリスクを軽減できます。
しかし、セメント瓦は既に製造が終了しているため、今後新しく施工することはできないことに注意が必要です。
樹脂繊維セメント瓦
樹脂繊維セメント瓦は、セメントに特殊な樹脂や繊維を混ぜて強度を高めた瓦です。
この瓦の大きな特徴は、他の瓦と比較したときの軽量性です。
従来の瓦よりも建物への負担が少なく、特に耐震性の観点からも地震時の揺れの影響を受けにくいとされています。
加工しやすく、釘で直接屋根下地に固定できるため、施工性にも優れており、比較的短期間で屋根工事が完了する場合があります。
ただし、セメント瓦と同様に、表面の塗装が劣化することで色褪せやコケの発生が見られることがあり、定期的なメンテナンスがおすすめです。
屋根瓦の選び方

屋根瓦を選ぶ際には、ご自身のライフスタイルや住まいの特性、地域の気候などを総合的に考慮することが大切です。
以下のポイントを踏まえて、最適な瓦を選びましょう。
デザインと景観
まず、デザインと景観は非常に重要な要素です。
住まいの外観デザインや周囲の景観との調和を考えることで、和風、洋風、モダンなど、全体の印象が大きく変わります。
瓦一枚一枚の形や色が、住まい全体の「顔」を決定づけると言っても過言ではありません。
耐久性とメンテナンス
次に、瓦の耐久性とメンテナンスについて検討しましょう。
瓦の種類によって耐久年数や必要なメンテナンスが異なるので、長期的な視点でどの程度の頻度でメンテナンスが必要か、費用はどのくらいかかるかを事前に把握しておくことが重要です。
予算
また、予算も瓦選びの大きな決め手です。
瓦の価格は種類や品質、そして施工費用によって大きく異なるため、初期費用だけでなく、将来的なメンテナンス費用も考慮した上で、総合的なコストパフォーマンスを比較検討することをおすすめします。
長期的な視点で考えれば、初期費用が高くてもメンテナンス費用が少ない方が結果的に経済的な場合もあります。
気候特性
お住まいの地域の気候特性も瓦選びの重要な要素です。
例えば、積雪の多い地域では、雪が滑り落ちやすい形状の瓦や、雪の重さに耐えうる強度の瓦が適しています。
また、日差しが強い地域では、遮熱性能が高い瓦を選ぶことで、室内の温度上昇を抑えられます。海沿いの地域では塩害(潮風による劣化)に強い素材を選ぶことも大切です。
まとめ
屋根瓦は、住まいを守るだけでなく、その美しさで家の顔を作り出す重要な要素です。
粘土瓦、セメント瓦、樹脂繊維セメント瓦といった主要な種類にはそれぞれ異なる特徴があり、さらに粘土瓦だけでもJ形、F形、S形など、形状によって多様な表情を見せます。
ご自身のライフスタイルや住まいの状況、地域の気候に合わせて最適な瓦を選ぶことが大切です。
ぜひこの記事を参考にしてお住まいに合った瓦をお選びください。
私たち坪井利三郎商店は屋根外壁診断のご相談をいただいたら、長久手市にて屋根ひとすじに100年以上に渡り携わってきた経験とプロの技で、あなたのお住いの屋根・外壁を詳細に点検・診断いたします。
あわせて今後の住まい方についてもヒアリングさせていただきながら、住まいにあわせた最適なメンテナンスのご提案を無料で実施させていただきます。お気軽にお問い合わせください。