- 日々のお仕事ブログ
- サイディングからの雨漏りは危険信号!見落としがちな兆候と確実な防ぎ方
サイディングからの雨漏りは危険信号!見落としがちな兆候と確実な防ぎ方
はじめに

その外観を彩り、雨風から建物を保護する役割を担っているのがサイディングをはじめとする外壁材です。
サイディングは、建物の外壁に貼られる板状の仕上げ材の総称で、デザイン性や耐久性に優れ、多くのお住まいで採用されています。
しかし、屋根と同様に常に外部環境にさらされているため、劣化は避けられません。
特に注意が必要なのが、外壁からの雨漏りです。
「雨漏り」と聞くと、まず屋根を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、外壁からの雨漏りも決して珍しいことではなく、むしろ見過ごされがちな危険信号として認識しておく必要があります。
外壁からの雨漏りは、屋根からの雨漏りとは異なる特徴を持ち、気づかないうちに深刻な事態を招くことがあります。
サイディングなどの外壁からの雨漏りにお悩みの方はぜひ参考にしてください。
外壁からの雨漏りの主な原因とメカニズム

外壁からの雨漏りの根本的な原因は、基本的に「外壁にできた隙間」です。
この隙間から雨水が浸入し、建物の内部へと染み込んでいきます。
これらの隙間から浸入した雨水は、外壁の内側にある防水シートや構造材を湿らせ、最終的には室内に雨漏りとして現れます。
雨漏りが発生しやすい箇所とメカニズムは次の通りです。
シーリングの劣化
シーリング(建材の隙間を埋める目地材)の劣化は、サイディングボードの継ぎ目や窓サッシの周囲に充填されている部分に多く見られます。
シーリングは、建物の動きや紫外線、雨風の影響を受け、時間とともに硬化しひび割れが生じます。このひび割れが雨水の浸入経路となります。
窓サッシ周りの不具合
窓サッシ周りの不具合も原因の一つです。
窓サッシと外壁の取り合い(異なる部材が接する部分)部分は、複雑な形状をしており、施工不良や経年劣化によって隙間が生じやすい箇所です。
また、窓枠自体からの雨漏りも発生することがあります。
幕板や水切り金具の劣化
幕板(外壁の上下を区切る横板)や水切り金具(外壁下部や窓下の雨水を排出する部材)の劣化・変形にも注意が必要です。
外壁のアクセントとして設置される幕板や、基礎と外壁の境目、窓の下などに設置される水切り金具は、雨水を適切に排出する役割を担っています。
これらが浮いたり、変形したりすることで、雨水が裏側に回り込み、雨漏りの原因となることがあります。
クラック
外壁のクラック(ひび割れ)も雨漏りを引き起こします。
サイディングやモルタル壁など、外壁材そのものに発生するひび割れです。
地震や建物の構造的な動き、乾燥収縮などによって発生し、小さなひび割れでも放置すれば雨水の浸入を許してしまいます。
換気扇のフード
さらに、換気扇フード(換気扇の排気口を覆うカバー)や配管貫通部の隙間も見落とせません。
換気扇やエアコンの室外機などの配管が外壁を貫通している部分も、施工時の不備やシーリングの劣化によって隙間が生じやすい箇所です。
雨漏り放置の危険性:なぜ早期のメンテナンスが必要なのか?

外壁からの雨漏りを放置することは、住まいにとって非常に深刻なリスクを伴います。
浸入した雨水が建物の柱や梁などの構造材を腐食させ、これにより建物の耐久性や耐震性が著しく低下し、最悪の場合、倒壊のリスクも生じます。
湿った環境は、カビの繁殖やシロアリの発生に最適です。
カビは健康被害の原因となり、シロアリは建物の木材を食い荒らし、甚大な被害をもたらす危険があるため注意が必要です。
また壁の内部にある断熱材が雨水で濡れると、断熱性能が著しく低下し、これにより、室内の冷暖房効率が悪くなり、光熱費の増加にもつながります。
さらに雨漏りによる内部の損傷は、リフォームや売却の際に大きなマイナス要素となり、建物の資産価値を大きく低下させてしまいます。
外壁の雨漏りを防ぐ一般的な対策法

外壁からの雨漏りを防ぐには、早期発見と適切なメンテナンスが最も重要です。
ご自身でできる対策と専門業者への依頼が必要な対策があります。
まず、ご自宅の外壁を定期的にチェックする習慣をつけましょう。
これらの異変を見つけた場合は、早めに対処することが大切です。
ご自身で応急処置ができる場合もありますが、根本的な解決には専門的な知識と技術が必要です。
特に、台風や大雨の後には、以下のような点に注意して確認してみてください。
シーリングのひび割れや剥がれ
サイディングの目地や窓サッシ周りのシーリングが硬くなっていたり、ひびが入っていたり、一部が剥がれていたりしないか確認しましょう。
外壁材のひび割れ(クラック)
サイディングボードやモルタル壁に、大小にかかわらずひび割れがないか見てみましょう。
塗装の劣化
塗膜(塗料が乾燥してできる膜)の膨れや剥がれ、色あせがないか確認します。
塗膜の劣化は、外壁材の防水性能が低下しているサインです。
異変の有無
幕板や水切り金具が浮いていないか、換気扇フードの周りに隙間がないかなど、目視で確認できる範囲で異常がないかチェックしましょう。
まとめ
サイディングからの雨漏りは、放置すれば取り返しのつかない事態を招く可能性があります。
しかし、早期に発見し、適切な対策を講じることで、住まいの寿命を延ばし、大切な資産を守ることができます。
「もしかして?」と感じたら、迷わず専門業者に点検を依頼し、必要に応じて修理をすることをおすすめします。
ぜひこの記事を参考にして、大切なお住まいをお守りください。
私たち坪井利三郎商店は屋根外壁診断のご相談をいただいたら、長久手市にて屋根ひとすじに100年以上に渡り携わってきた経験とプロの技で、あなたのお住いの屋根・外壁を詳細に点検・診断いたします。
あわせて今後の住まい方についてもヒアリングさせていただきながら、住まいにあわせた最適なメンテナンスのご提案を無料で実施させていただきます。お気軽にお問い合わせください。