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住宅の屋根構造を徹底解説!知っておきたい基本と専門用語
はじめに

住宅の屋根は、雨風や紫外線、そして夏の強い日差しや冬の雪など、様々な過酷な自然環境から大切な家と家族を守る、非常に重要な役割を担っています。
しかし、普段、外から眺める機会はあっても、その内部がどのような構造になっているのか、ご存知の方は少ないのではないでしょうか。
屋根の構造や各部位の名称を理解することは、いざ屋根のメンテナンスやリフォームを検討する際に、業者とのコミュニケーションをスムーズにし、安心して工事を進めるために非常に役立ちます。
この記事では、住宅の屋根がどのような部材で構成されているのかを、初心者の方にも分かりやすく解説します。
住宅の屋根の構造について気になる方はぜひ参考にしてください。
屋根の構造を支える「小屋組」と「屋根の下地」

住宅の屋根は、骨組み全体と防水層という、大きく分けて2つの構造で成り立っています。
一つは、屋根の重みを支える骨組み全体を指す小屋組(こやぐみ)です。
これは、木造住宅の屋根を形作る重要な構造体であり、屋根裏部屋となる空間を形成します。
小屋組には、屋根材を支えるための様々な部材が含まれており、これらの部材がしっかりと組み合わさることで、屋根全体の強度を保っているのです。
もう一つは、小屋組の上に設置され、雨水の浸入を防ぐための層を形成する屋根の下地です。
この下地があるからこそ、一番外側にある屋根材が劣化しても、すぐに雨漏りには繋がりにくくなっています。
この2つの構造を理解することが、屋根の仕組みを把握する第一歩となります。
知っておきたい屋根の主要な部材と部位の名称

屋根は、様々な部材や部位が組み合わさってできています。
ここでは、特に知っておきたい名称をいくつかご紹介します。
屋根の内部を支える部材
屋根の下地材として、最初に小屋組の上に貼られるのが野地板(のじいた)です。
これは合板や木材で作られた板で、屋根材を固定するための土台となります。
この野地板の上に、屋根材が劣化して雨水が浸入するのを防ぐためのルーフィング(防水シート)を貼ります。
ルーフィングは、屋根工事において最も重要な防水対策の一つで、雨水をシャットアウトする最後の砦と言えるでしょう。
屋根の勾配を形成する斜めの木材は垂木(たるき)と呼ばれ、野地板を支えます。
この垂木を支えるのが、屋根の頂点にある棟木(むなぎ)と、それと平行に設置される母屋(もや)です。
これらの部材がしっかりと組み合わさることで、屋根全体の重みを均等に分散させ、建物全体を安定させています。
屋根の各部位

屋根の面と面が交わる一番高い部分は棟(むね)と呼ばれ、雨水の処理に非常に重要な役割を担います。
棟は、屋根の形によって直線だけでなく、曲線や十字に交わることもあります。
屋根が外壁より突き出ている部分は軒先(のきさき)、妻側(つまがわ:屋根の面が隣り合っていない部分)の壁から突き出ている部分はケラバといい、いずれも雨が外壁に直接当たるのを防ぎ、建物の劣化を軽減する役割があります。
屋根面と屋根面がV字型に交わる部分は谷(たに)と呼ばれ、雨水が集中して流れ落ちるため、適切な防水処理が不可欠です。
この部分の防水工事が不十分だと、雨漏りの原因になりやすいので注意が必要です。
代表的な屋根の仕上げ材と屋根の形

屋根の構造を理解したら、次は屋根の「顔」とも言える仕上げ材と、屋根の形についても知っておきましょう。
屋根の仕上げ材
代表的な屋根の仕上げ材には、古くから日本の住宅で使われている瓦があります。
粘土を焼いて作られる和瓦や、セメントを固めて作られるセメント瓦などがあり、耐久性が高く、デザイン性にも優れているのが特徴です。
また軽量で施工しやすく、費用を抑えられるスレートや、アルミニウム、亜鉛、シリコンを組み合わせた合金でメッキされたガルバリウム鋼板も広く普及しています。
ガルバリウム鋼板は、軽量で錆びにくく、耐久性が高いのが特徴で、モダンなデザインの住宅にもよく使用されています。
代表的な屋根の形

屋根の形にも種類があり、それぞれ特徴があります。
最も一般的なのは、本を逆さまに開いたような切妻屋根(きりづまやね)です。
シンプルな構造で雨仕舞がしやすく、コストを抑えられるのがメリットです。
4つの屋根面が頂点で集まる寄棟屋根(よせむねやね)は、安定感があり風に強いのが特徴です。台風が多い地域では特に採用されることが多く、耐久性に優れています。
一方向にだけ傾斜している片流れ屋根(かたながれやね)は、シンプルでスタイリッシュなデザインが人気で、太陽光パネルの設置にも適しています。
そして、ほとんど傾斜のない平らな陸屋根(りくやね)は、屋上として利用できるメリットがある一方で、水はけが悪くなりやすいため、防水対策が特に重要となります。
まとめ
この記事では、住宅の屋根構造の基本から、主要な部材、屋根の形までを解説しました。
屋根は、日々の暮らしを快適に送る上で欠かせない存在です。
定期的な点検と適切なメンテナンスを行うことで、住宅の寿命を延ばし、大切な家族を守ることができます。
もし、ご自宅の屋根について気になる点があれば、今回ご紹介した選び方を参考に、専門業者に相談し、早めに対策を講じるようにしましょう。
ぜひこの記事を参考にして、大切なお住まいをお守りください。
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