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「樋」のトラブルとそこからの「雨漏り」を防ぐ秘訣をご紹介
はじめに

住まいを守る上で見過ごされがちながら、極めて重要な役割を担うのが「樋(とい)」です。
屋根の軒先に沿って設置され、雨水を一箇所に集めて地面へと導くこの設備は、家屋の健康を左右するほどの影響力を持っています。
樋の小さな不具合は、やがて大きな問題へと発展し、最終的には「雨漏り」という住まいにとって致命的なダメージを引き起こす可能性があるのです。
雨漏りは、単に水が垂れるだけでなく、建物の構造体を腐食させたり、カビやシロアリの発生を促したりと、住まいの寿命を著しく縮めてしまいます。
そこで、この記事では樋の役割からトラブルの原因、そして効果的な対策についてご紹介します。
樋からの雨漏りにお悩みの方はぜひ参考にしてください。
樋の知られざる重要性とその役割

樋は単なる雨水の通り道ではありません。
樋がなければ、屋根に降った雨水はそのまま軒先から地面へと直接流れ落ちることになります。
これにより、外壁への激しい水の打ち付けによる劣化、基礎周りの常に湿った状態が招く地盤の軟弱化、庭や敷地の損傷、そして地面からの水のはね返りによる外壁の泥汚れやカビの付着といった様々な問題が発生する可能性が高まるでしょう。
樋は、これらの問題を未然に防ぎ、雨水を効率的に集めて特定の排水口へ誘導することで、建物の長寿命化と美しい外観の維持に貢献します。
主に屋根の軒先に沿って設置される「軒樋(のきどい)」と、軒樋で集められた雨水を縦方向に流す「縦樋(たてどい)」で構成されており、これらが適切に機能することで、雨水は建物の外壁や基礎を濡らすことなく安全に排出される仕組みです。
樋の役割に関してはでも詳しくご紹介しております。
ぜひ併せてご確認ください。
樋トラブルの具体的な原因とメカニズム

樋のトラブルは、単一の原因でなく、複数の要因が絡み合って発生し、最終的に雨水のオーバーフローや漏水を引き起こします。
経年劣化
最も避けられないのが経年劣化です。
樋は紫外線、風雨、温度変化といった過酷な環境に常に晒されており、素材によってひび割れ、反り、塗膜の劣化、接続部分のコーキング剥がれなどが生じます。
樋の一般的な寿命が約20年と言われるのは、こうした劣化の進行によるものです。
樋本体にひび割れや穴が開いたり、固定金具が緩んだり外れたりすることもあれば、連結部分のジョイントのゴムパッキンや接着剤が硬化・劣化して水漏れの原因となるケースも見られます。
詰まり
樋トラブルで最も多いのは詰まりです。
落ち葉や土砂、鳥の巣、あるいはコケや藻などが樋に堆積し、雨水の通り道を塞いでしまうことで発生します。
詰まりが発生すると雨水が樋から溢れ出し外壁を伝って流れ落ちるようになり、冬場には樋に溜まった水が凍結して樋自体を破損させる「凍害」の原因にもなります。
施工不良
稀に、樋の設置自体に問題があるケースも存在します。
雨水がスムーズに流れるべき樋の勾配が不適切だったり、樋を支える支持金具の間隔が広すぎたりすると、雨水が滞留しやすくなり、ゴミが溜まったり、樋が水圧に耐えきれずに歪んだりする原因になります。
屋根材の変更時など、樋の集水能力が見直されずにいると、大雨の際に樋の許容量を超えて溢れ出すこともあるでしょう。
樋と雨漏りの効果的な対策と専門家による解決策

樋のトラブルを防ぎ、雨漏りの脅威から住まいを守るためには、日頃からの意識と、必要に応じた専門業者による対処が不可欠です。
ご自身でできる簡単なチェックとしては、大雨の際や雨上がりに、樋から水が溢れていないか、破損やゴミの詰まりがないかを目視で確認することが挙げられます。
地面に近い縦樋であれば、脚立などを使って落ち葉や泥を取り除くことも可能ですが、高所での作業は危険なので、専門業者に依頼することをおすすめします。
ご自身でのチェックには限界があり、樋の内部や高所の破損、勾配の微妙な狂いなどは素人では判断が難しいものです。
そこで、専門業者による定期的な点検と適切なメンテナンスが非常に重要です。
専門業者は樋のひび割れやジョイント部分の劣化、支持金具の緩みなど、小さな劣化箇所も早期に発見し、適切な方法で修理します。
樋の勾配が不適切で水が溜まってしまう場合は、正確なレベル測定を行い、勾配を再調整したり、支持金具を補強したりすることで水の流れを改善します。
また雨漏りが発生している場合、その原因が樋だけにあるとは限りません。
屋根材の破損や瓦を固定している漆喰の劣化、瓦のズレ、外壁のクラックなど、様々な要因が複合的に絡み合っていることが多いからです。
専門業者に依頼することで、屋根全体や外壁を含めた総合的な診断が行われ、雨漏りの原因を特定されることで根本的な解決策がわかります。
まとめ
樋は、住まいを雨水から守り、長寿命化させるための非常に重要な設備です。
しかし、その重要性が見過ごされがちなため、劣化や詰まりが放置され、結果として「雨漏り」という深刻な被害を引き起こすケースが後を絶ちません。
雨漏りは単なる水の浸入に留まらず、見えない場所で建物の構造を蝕み、住まいの寿命を縮める深刻な問題です。
樋のトラブルの主な原因は、経年劣化によるひび割れや破損、落ち葉や土砂による詰まり、そして初期の施工不良や勾配の問題が挙げられます。これらのサインに早期に気づき、適切な対策を講じることが、住まいを長持ちさせる上で極めて重要です。
ぜひこの記事を参考にして、大切なお住まいをお守りください。
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