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工場の外壁はスレートがおすすめ?:メリットやメンテナンス方法について
はじめに

スレート外壁は工場や倉庫の建築において広く採用されている外装材です。
その特徴的な波状の形状と耐久性の高さから、多くの産業施設で重宝されています。
スレートはセメントと繊維を混合して作られた人工的な建材であり、その製造方法により高い強度と耐火性を持ち合わせているのが特徴です。
工場や倉庫でスレート外壁が選ばれる主な理由は、その耐久性と経済性にあります。
スレートは長期間にわたって使用でき、メンテナンスも比較的容易であるため建物の維持管理コストを抑えることができます。
またその耐火性能は、工場や倉庫といった火災リスクの高い施設において特に重要な特性となっています。
本記事ではスレート外壁の特徴と種類、そのメリットとデメリット、さらにメンテナンス方法について詳しく解説していきます。
ぜひこの記事を参考に、より良い外壁の参考にしてください。
また工場の屋根に関しては、以下の記事で詳しく説明しています。
こちらも併せてご確認ください。
▶︎工場の屋根の選び方や維持管理のポイントについて
スレート外壁の特徴と種類

スレートはセメントと繊維を主原料とする人工的な建材です。
その名称は天然の粘板岩(スレート)を薄く加工して屋根材として使用していた歴史に由来しています。
現代のスレートは、耐久性と加工のしやすさを兼ね備えた人工材料として進化を遂げ、外壁材として広く利用されるようになりました。
スレート外壁は大きく分けて波型スレートとフラットスレートの2種類があります。
波型スレートはその名の通り波状の形状をしており、強度と排水性に優れています。
一方でフラットスレートは平らな形状で、より現代的な外観を求める建築物に適しています。
波型スレートは波の大きさによって小波、中波、大波に分けられ、現在では小波と大波スレートが主流です。
波型スレートの中でも特に工場や倉庫で多く使用されているのが小波スレートと大波スレートです。
小波スレートはよりコンパクトな波形により、一般的な建物にも違和感なく使用できる特徴があります。
一方で大波スレートはその大きな波形により高い強度を持ち、遮音性や断熱性にも優れています。
そのため工場や倉庫などの大型施設で特に好まれます。
これらのスレート外壁はその波形構造により雨水の排水性能が高く、建物の耐久性向上に寄与します。
また波形による凹凸が光を分散させるため、建物の外観に独特の表情を与える効果もあります。
スレート外壁を採用するメリットとデメリット

スレート外壁を採用する際にはそのメリットとデメリットを十分に理解することが重要です。
以下に主なメリットとデメリットを詳しく解説します。
メリット
耐久性
スレート外壁は非常に耐久性が高く、適切なメンテナンスを行えば25年以上の耐用年数を期待できます。
この長寿命性は、建物の長期運用を考える上で大きな利点となります。
遮音性
スレートの厚みと波形構造により、優れた遮音性能を発揮します。
これにより工場内の騒音を軽減し、作業環境の向上に貢献します。
低コスト
他の外壁材と比較してスレートは比較的安価です。
またその耐久性により長期運用が可能なため、ライフサイクルコストの観点からも経済的です。
デメリット
汚れが目立ちやすい
スレートの表面は比較的粗く、汚れが付着しやすい特性があります。
そのため定期的な清掃が必要となり、メンテナンスの手間が増える可能性があります。
アスベスト含有の可能性
2004年以前に製造されたスレートには、アスベストが含まれている可能性があります。古い建物のスレート外壁を扱う際には、アスベスト対策が必要となる場合があります。
破損時の修理・張替えに注意が必要
スレートは比較的もろい材料であるため強い衝撃を受けると破損する可能性があります。
破損した場合、部分的な修理や張替えが必要となりますがその際には専門的な技術が求められます。
経年劣化による防水性の低下
時間の経過とともにスレートの表面が劣化し、防水性能が低下する可能性があります。
スレート外壁のメンテナンス方法

スレート外壁を長期にわたって良好な状態で使用するためには、適切なメンテナンスが不可欠です。
以下に主なメンテナンス方法を詳しく解説します。
フックボルトの補修・交換
スレート外壁を固定しているフックボルトは経年劣化により錆びたり緩んだりすることがあります。
これらのトラブルを防ぐため定期的な点検と必要に応じた補修や交換が重要です。
錆びたフックボルトは雨水の浸入経路となる可能性があるため、早めの対処が求められます。
部分張替え
スレートの一部が破損した場合、その部分のみを交換することが可能です。
これにより外壁全体を張り替える必要がなく、コストを抑えることができます。
ただし、部分張替を行う際は、既存のスレートとの色合いや形状の違いに注意が必要です。
また作業には専門的な技術が必要となるため、経験豊富な業者に依頼することが推奨されます。
全面的な張替え
外壁全体が傷んでいる場合は全てを張り替えることで新品同様の外壁を実現することができます。
費用は高くなりますが、劣化がひどい場合にはおすすめです。
カバー工法
既存のスレート外壁の上に金属素材のカバーを施工するカバー工法も、有効なメンテナンス方法の一つです。
この方法によりスレートの劣化を防ぎつつ、建物の断熱性能や耐久性を向上させることができます。また、外観のリニューアルにもつながります。
特にアスベストを含むスレートの場合、アスベストの撤去費用などが本来はかかる為、カバー工法をすることによって費用削減にも繋がります。
まとめ
スレート外壁はその耐久性、耐火性、遮音性、そして経済性から、工場や倉庫などの産業施設に広く採用されています。
長期間にわたって使用できる点や法定不燃材料としての特性は、特に大きなメリットと言えるでしょう。
一方で汚れが目立ちやすい点や、古い建材にはアスベスト含有の可能性がある点などは、注意が必要です。
スレート外壁を長く効果的に使用するためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。
フックボルトの点検や交換、部分的な張替えや全面的な張替え、そしてカバー工法など、様々なメンテナンス方法を適切に実施することで、建物の価値を長期にわたって維持することができます。
最後にスレート外壁を採用する際や維持管理を行う際には、専門業者のアドバイスを受けることをおすすめします。
適切な選択と管理によりスレート外壁は長期にわたって建物を保護し、その機能を十分に発揮することができるでしょう。
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