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アスファルトシングル屋根とは?:メリット・デメリット、メンテナンスまでご紹介!
はじめに

住まいを雨風や日差しから守る屋根は、家全体の印象を決定づける大切な部分で、その機能性も非常に重要です。
屋根材の中でも、近年注目を集めているのが「アスファルトシングル」という屋根材です。
アスファルトシングルとは、ガラス繊維などの不燃材料を基材として使用し、そこにアスファルトをたっぷりと浸透させた後、表面に石粒を吹き付けてシート状に成形された屋根材のことを指します。
アメリカの戸建て住宅では標準的な屋根材として広く普及しており、その優れた特性から、日本でも採用する住宅が着実に増えています。
この記事では、アスファルトシングルの基本的な特徴から、知っておきたいメリットやデメリット、長期的なメンテナンス方法まで、お客様が安心して屋根材選びができるよう、解説していきます。
アスファルトシングルの多彩なメリット

アスファルトシングルが多くの住宅で選ばれるのには、多くの優れたメリットがあるためです。
ここでは、その主な利点について詳しく見ていきましょう。
防水性
まず挙げられるのが、その高い防水性です。
アスファルトが主成分であるため、雨水をしっかりとシャットアウトします。
施工時には専用の接着剤を用いて固定することが多く、屋根材に釘穴を開ける必要が少ないため、そこからの雨漏りリスクを大幅に低減できるのです。
柔軟性
シート状の素材であるため、外部からの衝撃や建物の動きに対してもしなやかに対応し、ひび割れや破損が生じにくいのが特徴です。
金属製の屋根材のように錆びる心配もなく、潮風の影響を受ける沿岸地域などでの使用にも適しています。
コストパフォーマンスの高さ
他の主要な屋根材と比較して、材料費が一般的に安価な傾向にあります。
初期投資を抑えつつも、高い防水性やデザイン性を享受できるため、トータルで見た際のコストパフォーマンスに優れていると言えるでしょう。
長期的な視点で見ても、メンテナンス費用が比較的抑えられる可能性もあります。
デザイン
さらに、豊富なデザインとカラーバリエーションもアスファルトシングルの大きな強みです。
単色だけでなく、複数の色が混じり合ったものや、立体感を表現したデザインなど、多種多様な製品がラインナップされています。
これにより、モダンな住宅から和風建築まで、幅広い住宅デザインに合わせた選択が可能となり、外観の美しさを一層引き立てることができます。
アスファルトシングルの考慮すべきデメリット

多くの利点を持つアスファルトシングルですが、その特性上、いくつか考慮しておくべきデメリットも存在します。
これらを理解した上で、適切な選択を行い、将来的なトラブルを避けることが大切です。
剥がれやすさ
まず、強風による剥がれやすさが挙げられます。
アスファルトシングルは、専用の接着剤で固定される工法が一般的です。
そのため、経年劣化により接着力が弱まったり、施工が不十分だったりした場合、台風などの強風の際に屋根材が部分的に剥がれてしまうリスクがあります。
剥がれた箇所からは雨水が浸入し、雨漏りの原因となる可能性があるため、定期的な点検と、問題が発見された際の迅速な補修が不可欠です。
石粒の剥がれ落ち
石粒の剥がれ落ちも経年で発生する可能性があります。
これにより、屋根全体の色褪せが進んだり、下地のアスファルトが見えてしまったりして、美観が損なわれる場合があります。
これは機能的な問題というよりは、主に見た目の問題として現れることが多いですが、剥がれが進行すると屋根材の保護機能が低下する可能性も考えられます。
施工に勾配が必要
さらに、緩やかな勾配の屋根には不向きな場合があります。
アスファルトシングルは、水はけを適切に確保するために、ある程度の勾配が必要です。
勾配が非常に緩やかな屋根の場合、雨水が滞留しやすくなり、防水性が十分に発揮できない可能性があるため、一部の製品では施工ができないか、推奨されないケースもあります。
ご自宅の屋根勾配がアスファルトシングルに適しているか、事前に専門業者に確認することが重要です。
施工できる業者が少ない
施工できる業者が少ない場合があるという点も考慮すべきです。
瓦やスレートといった他の屋根材に比べて、アスファルトシングルの施工経験が豊富な専門業者は、地域によってはまだ限られている場合があります。
アスファルトシングルは、その柔軟性ゆえに高い施工技術が求められるため、実績と信頼のある業者を選ぶことが非常に重要です。
施工不良は、雨漏りなどの深刻なトラブルに直結するため、業者選びは慎重に行いましょう。
アスファルトシングルの適切なメンテナンス方法

アスファルトシングルは比較的メンテナンスがしやすい屋根材ですが、その優れた性能と美観を長く保つためには、定期的な点検と適切なメンテナンスが欠かせません。
適切な時期に適切な処置を行うことで、屋根の寿命を延ばし、大切な住まいを雨漏りなどのトラブルから守り、安心して暮らすことができます。
定期的な点検
まず、最も重要なのは定期的な点検です。5年から10年に一度を目安に、専門業者による屋根全体の点検をおすすめします。
特に台風や強風の後には、屋根材の剥がれや浮きがないか、注意深く確認することが重要です。
早期に問題を発見することで、小さな損傷が大きな被害へと拡大するのを防ぎ、結果的に修繕費用を最小限に抑えることにもつながります。
部分補修
もし強風などで一部の屋根材が剥がれたり浮いたりした場合は、速やかな部分補修が可能です。
専用の接着剤などを使用して、剥がれた箇所をしっかりと固定し直します。
この迅速な対応が、雨水が建物内部に浸入するのを防ぎ、屋根全体の健全性を保つ上で非常に有効です。
清掃
表面に発生したコケや藻の清掃も大切なメンテナンスの一つです。
軽度のコケや藻であれば、ご自身で高圧洗浄機を用いて慎重に洗い流すことができる場合もありますが、表面の石粒が剥がれてしまう可能性もあるため、注意が必要です。
誤った方法で清掃すると、屋根材を傷つけたり、防水性を損ねたりする恐れがあります。
安全面や作業の質を考慮すると、専門業者に相談し、適切な清掃方法や、長期的な視点での防藻・防カビ対策を依頼することをおすすめします。
まとめ
アスファルトシングルは、その防水性、柔軟性、デザインの多様性といった優れた特性から、近年注目されている屋根材です。
メリットとデメリットの両方がある屋根材ですが、その特性を最大限に引き出し、長く安心してお使いいただくためには、アスファルトシングルの特性を熟知し、適切な施工技術と経験を持つ専門業者による工事と、定期的なメンテナンスが不可欠です。
ぜひこの記事を参考にして、アスファルトシングルの屋根を検討してください。
私たち坪井利三郎商店は屋根外壁診断のご相談をいただいたら、長久手市にて屋根ひとすじに100年以上に渡り携わってきた経験とプロの技で、あなたのお住いの屋根・外壁を詳細に点検・診断いたします。
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